高校公民(現代社会・政治経済)の
中間テスト・期末テスト・センター試験対策の勉強法


財政政策

【財政の3機能】

1、資源の適正配分→公共財の提供。
2、所得再分配機能→累進税の制度で、担税力のある高所得者に税を多く負担してもらう代わり、税を負担できない貧困層や病気・高齢者の人には社会保障の給付を行う
3、経済安定化機能→極端な恐慌などで経済が混乱しないよう、経済安定化のために景気変動を調整する機能が財政にはある。

※財政のしくみとして、税を徴収する代わりに、福祉や教育など様々な分野の公共サービスが提供される。前述の累進課税が採用されている所得税や相続税等で、税を支払う能力の高い富裕層から多く税を徴収し、そのかわり、公共サービスの提供や社会保障という形で、一般の市民に最低限の生活を保障することで、所得の再分配を図っているといえる。

・ビルト・イン・スタビライザー
→累進課税制度と社会保障政策によって、景気を自動的に安定させる政策。景気の過熱時には累進課税制度で景気の行き過ぎた加熱を抑え、不況の時には社会保障政策によって失業者対策を行うことで景気回復を促す役目を果たす。

・フィスカル・ポリシー
→不況のときの景気対策を目的に公共事業を増やして失業者や地方の企業に仕事を与える。また、不況時の減税で景気回復を図ったり、好景気の時には増税を行って景気過熱を抑えたり税収を国債償還にあてたりする。ビルト・イン・スタビライザーと違うのは、ビルト・イン・スタビライザーが本来の財政の機能(累進課税制度と社会保障政策)の中で自動的に景気調整が行われる(景気調整を目的としていないのに勝手に景気が調整される、良い意味での副作用)のに対して、フィスカル・ポリシーは、本来の財政の機能ではなく政府が景気の調整そのものを目的として「手動」で行う景気対策のことである。

・ポリシー・ミックス
→金融政策(前のページで説明したこと)と財政政策を組み合わせることで、金利や資金供給量に関してもより上手に調整することが可能になる。片方の政策だけなら、メリットの代わりに何らかのデメリットがあるのだが、金融政策と財政政策を組み合わせれば、それらのデメリットをより抑えた上での景気対策が可能になる。

【税】
国税と地方税・・・国税は国の収入となる税金、地方税は地方公共団体の収入となる税金。

直接税と間接税・・・税の納入者と負担者が同じなのが直接税、異なるのが間接税。

直接税→所得税、法人税など。税金の捕捉率の低さ(収入を低く申告する事業者がいるため税金を回収できている割合が低い)が欠点。
「クロヨン」→サラリーマンの9割はまじめに税金を払うのに対し、自営業は6割、農業は4割しか正確な税を支払っていないとする指摘。

間接税→消費税など。直接税よりは税を回収しやすく、また消費税の場合、生活必需品はどの地域でも常に購入されるので、不景気の時でも税が安定して回収できるという特徴をもつが、貧困層には厳しい「逆進課税」との指摘もある。

※累進課税・・・所得が高いほど税率が上がる税制の仕組み。所得税と相続税で採用されている仕組み。先に挙げたフィスカル・ポリシーにも大きく影響する税制。貧富の差を配慮し、貧困層の生きる権利まで奪うことはない点では「垂直的公平」が図られている制度とされている。

※逆進課税・・・所得にかかわらず同じ税率が適用される消費税の場合、貧富の差に関係なく全ての人から徴収することができる「水平的公平」が図られるが、生活必需品にも同じ税率がかかると、所得が低く生活にゆとりのない(贅沢をする余裕がない)一般市民であっても、生活必需品の購入等で半強制的に税金を支払わなければならず、一般市民の負担感は富裕層の負担感より重くなってしまうこと。


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目次

はじめに

はじめに-高校公民(現代社会・政治経済)の勉強法
「現代社会」と「政治・経済」は重複して学習可能
センター試験「現代社会」と「倫理・政経」について
高卒認定試験の受験者の場合
現社や政経は楽しくなるし成績も無理なく伸ばせる
地歴公民の中では「理系寄り」の科目?
政治分野の基本は日本国憲法。ただし世界の政治の仕組みも
関心のある分野から知識を固め、得意を伸ばす
「歴史が得意で公民が苦手」な人も、違う視点から教科書を見れば、現代社会や政治経済の勉強にも馴染める
時事問題にも注目!教科書の中身と現実のニュースを関連付けてみよう。
政治経済や現代社会は日々変わるのに、なんで勉強する必要が?という疑問について

特集

政経現社特集:戦後日本の歴史と政治経済の変遷まとめ

政治分野

政治の基礎、国家の分類
市民革命・社会契約説・三権分立
法の支配・自由権と社会権
現在の世界の政治制度(米国・英国)
現在の世界の政治制度(独・仏、中国)
日本国憲法制定の歴史
日本国憲法における三つの基本原理
日本国憲法における平和主義
平和主義と自衛隊
日本国憲法の国民主権と立憲主義
基本的人権(1)法の下の平等と男女平等
基本的人権(2)自由権(精神の自由、経済的自由)
基本的人権(3)自由権(裁判を受ける権利、身体の自由)
基本的人権(4)社会権
基本的人権(5)参政権・請願権
基本的人権(6)新しい権利・幸福追求権
日本の国会のしくみ
衆議院の優越、特別な議決の方法、議員特権
内閣と議院内閣制
行政の仕組みと行政改革
司法と日本の裁判のしくみ
地方自治
選挙と政党
日本の政党政治の歴史
マスコミと民意
国際社会と国際法
国際連合
世界の人権保障
冷戦の歴史と核軍縮

経済分野

資本主義と社会主義と経済思想
経済思想と大きな政府・小さな政府
経済の三大主体-家計・企業・政府
需要と供給
価格決定・独占と寡占・市場の失敗
国民経済計算‐GNP・GDPなど
経済成長率・景気変動・インフレ、デフレ
金融政策
財政政策
財政と国債(日本の借金)
日本の高度成長
中小企業問題
公害・環境問題
環境・エネルギー問題、原発問題
農業・農政問題
消費者問題
労働問題
社会保障
自由貿易と保護貿易
国際収支と為替
IMF・GATT体制、地域統合、南北問題
日本の貿易自由化
EU(ヨーロッパ連合)、TPP

現代社会の分野

青年期(適応機制など)
生命倫理(バイオテクノロジーなど)
環境倫理
家族・地域社会
情報化社会の倫理
異文化理解と国際社会

参考サイト

中学生の社会科の勉強法(外部サイト)

自宅学習のために

インターネットで自宅学習
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