高校公民(現代社会・政治経済)の
中間テスト・期末テスト・センター試験対策の勉強法


資本主義と社会主義・大きな政府と小さな政府

前のページの続きとなりますので、産業革命以後の資本主義と社会主義の考え方の歴史についてはあらかじめ前のページをお読みになることを推奨します。

【修正資本主義へ‐最近の資本主義に関する考え方】

・1929年の世界恐慌で世界中が不況になった。アメリカではニューディール政策が採用され、財政政策によって国内公共事業の拡大を図り、景気の回復を目標とした。マルクスの考え方は現実にはアメリカで採用されることはなかったが、古典学派(アダム=スミスなど)が主張するような、国家が経済活動に介入しないという考え方に対しては、ケインズは批判した。ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』では、需要を拡大するための「有効需要政策」を政府が採っていくことで景気対策を行うべきと考えるようになった。

・ただし、「有効需要政策」は、国の財政支出が伴うため、国の借金が大きくなりやすかったり、インフレを招いてしまったりする可能性も指摘されている。そこで、戦後には、フリードマンらは国家が積極的に介入するのではなく、国家は通貨量の管理をするのにとどめるべきとする「マネタリズム」を指摘するようになった。

※前のページの年表とつなげながら見ると、産業革命以降の資本主義と社会主義の思想の変遷が非常に分かりやすくなります。



【小さな政府と大きな政府】

 このように、産業革命以後のいままでの資本主義と社会主義の思想をいくつか見てみると、政府の介入を多くすべきか、それとも政府が極力介入しない方が良いのかという点に分類されることがわかります。政府の介入を多くすることで「国家による自由」を重視する考え方を「大きな政府」といい、政府の介入を極力避けて「国家からの自由」を重視する考え方を「小さな政府」といいます。なお、ケインズのように、資本主義を基調としながらも政府の介入で不況対策を行うべきとする考え方は「修正資本主義」ともよばれています。


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目次

はじめに

はじめに-高校公民(現代社会・政治経済)の勉強法
「現代社会」と「政治・経済」は重複して学習可能
センター試験「現代社会」と「倫理・政経」について
高卒認定試験の受験者の場合
現社や政経は楽しくなるし成績も無理なく伸ばせる
地歴公民の中では「理系寄り」の科目?
政治分野の基本は日本国憲法。ただし世界の政治の仕組みも
関心のある分野から知識を固め、得意を伸ばす
「歴史が得意で公民が苦手」な人も、違う視点から教科書を見れば、現代社会や政治経済の勉強にも馴染める
時事問題にも注目!教科書の中身と現実のニュースを関連付けてみよう。
政治経済や現代社会は日々変わるのに、なんで勉強する必要が?という疑問について

特集

政経現社特集:戦後日本の歴史と政治経済の変遷まとめ

政治分野

政治の基礎、国家の分類
市民革命・社会契約説・三権分立
法の支配・自由権と社会権
現在の世界の政治制度(米国・英国)
現在の世界の政治制度(独・仏、中国)
日本国憲法制定の歴史
日本国憲法における三つの基本原理
日本国憲法における平和主義
平和主義と自衛隊
日本国憲法の国民主権と立憲主義
基本的人権(1)法の下の平等と男女平等
基本的人権(2)自由権(精神の自由、経済的自由)
基本的人権(3)自由権(裁判を受ける権利、身体の自由)
基本的人権(4)社会権
基本的人権(5)参政権・請願権
基本的人権(6)新しい権利・幸福追求権
日本の国会のしくみ
衆議院の優越、特別な議決の方法、議員特権
内閣と議院内閣制
行政の仕組みと行政改革
司法と日本の裁判のしくみ
地方自治
選挙と政党
日本の政党政治の歴史
マスコミと民意
国際社会と国際法
国際連合
世界の人権保障
冷戦の歴史と核軍縮

経済分野

資本主義と社会主義と経済思想
経済思想と大きな政府・小さな政府
経済の三大主体-家計・企業・政府
需要と供給
価格決定・独占と寡占・市場の失敗
国民経済計算‐GNP・GDPなど
経済成長率・景気変動・インフレ、デフレ
金融政策
財政政策
財政と国債(日本の借金)
日本の高度成長
中小企業問題
公害・環境問題
環境・エネルギー問題、原発問題
農業・農政問題
消費者問題
労働問題
社会保障
自由貿易と保護貿易
国際収支と為替
IMF・GATT体制、地域統合、南北問題
日本の貿易自由化
EU(ヨーロッパ連合)、TPP

現代社会の分野

青年期(適応機制など)
生命倫理(バイオテクノロジーなど)
環境倫理
家族・地域社会
情報化社会の倫理
異文化理解と国際社会

参考サイト

中学生の社会科の勉強法(外部サイト)

自宅学習のために

インターネットで自宅学習
難関大学の受験対策なら Z会の通信教育

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