高校公民(現代社会・政治経済)の
中間テスト・期末テスト・センター試験対策の勉強法


選挙と政党

 政党政治の始まりは、17世紀後半のイギリスのトーリー党とホイッグ党との対立が最初とされています。今の日本でも多くの政党があり、多様な主張を掲げています。
 そもそも政党は、政権の掌握を目的とし、政策をかかげてその実現をはかる役割をはたします。多くの場合、選挙で第一党になった政党が与党として、実際に政権の掌握し、政策実現のために政府を動かしていきます。一方、政権を掌握できなかった政党は野党となりますが、野党にもきちんと役割があります。それは、政府や与党の政策を批判したり、行政を監視したりして、政府や与党の暴走を止めることにあります。野党といえども、国民が選挙で選んだ政治家が国会で活動しています。野党を支持した国民の声も、民意の一つなのですから、多数派である与党の意見だけが民意というわけではありません。与党の政治によって不利益を受けたり抑圧を受けたりする可能性のある少数派の意見を野党が代弁することで、政府や与党の暴走を止めるということは非常に重要です。

選挙制度 仕組み メリットとデメリット
小選挙区制 一つの選挙区から一人の代表を選ぶ選挙制度 政権が安定しやすい二大政党制を実現できる
(日本で自民党と民主党の二大政党制になった背景に、衆議院での小選挙区制の導入がある)
選挙区の中で、惜しい負けの人でも落選となるため、死票が多くなる
「バンドワゴン効果」小選挙区制に多く見られる現象。勝ちそうな候補に有権者が多く投票してしまい、勝ちそうな政党が予想以上に勝ってしまう効果。
大選挙区制 一つの選挙区から複数の代表を選ぶ選挙制度 2人以上選出される場合、惜しい負けの人も当選者となる
2番目に多い多数派の意見等も反映でき、国民の意見をより反映しやすい
(日本ではかつて「中選挙区制」と呼ばれる、一種の大選挙区制が採用されていた)
同じ党の人同士でも、選挙の時にはライバルとなり、有権者にとって選択肢が分かりにくい
比例代表制 政党に投票し政党の得票率に応じて議席を配分する(ドント方式)選挙制度 得票率にあわせて政党の議席が配分されるので、少数意見を含めて国民の意見をより反映しやすい
小党分立になりやすく、政権が不安定になりがちである。 (日本の衆議院の比例代表制度では特定の政治家個人に対して投票できず、政党に対する投票になる。)

【ドント方式】
 比例代表制で各政党に議席数を割り当てる際に、各政党の得票数を整数1,2,3…で順に割り算をし、その割り算の結果の大きな順序に、定員まで各党に議席を割り当てる。

参考資料:選挙の「ドント方式」をエクセルでシミュレーションした場合

・衆議院・・・小選挙区比例代表並立制(小選挙区制と比例代表制の2つの制度を活用する)
・参議院・・・選挙区比例代表並立制(選挙区は、地域によって小選挙区となる場合と、大選挙区になる場合があるが、いずれにしても都道府県単位の戦況で選ぶ制度がある。それに比例代表制を組み合わせて選挙制度が成り立っている。)

【圧力団体(ロビイスト)】
・業界団体や労働組合など、特定の分野に関心を持ち、特殊利益を追求する集団のこと。政党とは違い、政権の獲得を目指さず、その代わりに政治的に結果責任が問われないので、圧力団体は政党とは違う性質を持ちます。また、圧力団体と強い結びつきを持っている議員を一般的に「族議員」と呼びます。

・政党と圧力団体との結びつきは、時に、政党が圧力団体の言う事ばかりを聞くようになってしまう弊害があります。圧力団体は特定の利益を受けたい人たちを代表するだけで、国民の代表とは必ずしもいえないため、政党と圧力団体が過剰に結びつくと、政党と結びつきがない一般市民の民意が反映されにくく、特定の利益の実現のためだけの政治となってしまい、政治の公正な決定や運営が歪められるというデメリットがあります。

【政治とお金の問題】

政治資金規正法→政治献金については、政治家個人宛の政治献金を禁止。
政党助成法→政党要件を満たす政党に対し、国民一人当たり250円の税金(政党助成金)を分配(ただし日本共産党はこの制度を拒否しているので、共産党に分配される政党助成金は他の党に割り振られています。)


sponsored link


目次

はじめに

はじめに-高校公民(現代社会・政治経済)の勉強法
「現代社会」と「政治・経済」は重複して学習可能
センター試験「現代社会」と「倫理・政経」について
高卒認定試験の受験者の場合
現社や政経は楽しくなるし成績も無理なく伸ばせる
地歴公民の中では「理系寄り」の科目?
政治分野の基本は日本国憲法。ただし世界の政治の仕組みも
関心のある分野から知識を固め、得意を伸ばす
「歴史が得意で公民が苦手」な人も、違う視点から教科書を見れば、現代社会や政治経済の勉強にも馴染める
時事問題にも注目!教科書の中身と現実のニュースを関連付けてみよう。
政治経済や現代社会は日々変わるのに、なんで勉強する必要が?という疑問について

特集

政経現社特集:戦後日本の歴史と政治経済の変遷まとめ

政治分野

政治の基礎、国家の分類
市民革命・社会契約説・三権分立
法の支配・自由権と社会権
現在の世界の政治制度(米国・英国)
現在の世界の政治制度(独・仏、中国)
日本国憲法制定の歴史
日本国憲法における三つの基本原理
日本国憲法における平和主義
平和主義と自衛隊
日本国憲法の国民主権と立憲主義
基本的人権(1)法の下の平等と男女平等
基本的人権(2)自由権(精神の自由、経済的自由)
基本的人権(3)自由権(裁判を受ける権利、身体の自由)
基本的人権(4)社会権
基本的人権(5)参政権・請願権
基本的人権(6)新しい権利・幸福追求権
日本の国会のしくみ
衆議院の優越、特別な議決の方法、議員特権
内閣と議院内閣制
行政の仕組みと行政改革
司法と日本の裁判のしくみ
地方自治
選挙と政党
日本の政党政治の歴史
マスコミと民意
国際社会と国際法
国際連合
世界の人権保障
冷戦の歴史と核軍縮

経済分野

資本主義と社会主義と経済思想
経済思想と大きな政府・小さな政府
経済の三大主体-家計・企業・政府
需要と供給
価格決定・独占と寡占・市場の失敗
国民経済計算‐GNP・GDPなど
経済成長率・景気変動・インフレ、デフレ
金融政策
財政政策
財政と国債(日本の借金)
日本の高度成長
中小企業問題
公害・環境問題
環境・エネルギー問題、原発問題
農業・農政問題
消費者問題
労働問題
社会保障
自由貿易と保護貿易
国際収支と為替
IMF・GATT体制、地域統合、南北問題
日本の貿易自由化
EU(ヨーロッパ連合)、TPP

現代社会の分野

青年期(適応機制など)
生命倫理(バイオテクノロジーなど)
環境倫理
家族・地域社会
情報化社会の倫理
異文化理解と国際社会

参考サイト

中学生の社会科の勉強法(外部サイト)

自宅学習のために

インターネットで自宅学習
難関大学の受験対策なら Z会の通信教育

sponsored link





※当サイトの情報を参考にしたことにより何らかの損害等が発生した場合でも、当サイトでは責任は負うことができませんので、最終的な判断は閲覧者の皆様ご自身の責任でお願いします。

(c)高校公民(現代社会・政治経済)の中間テスト・期末テスト・センター試験対策の勉強法

inserted by FC2 system