国会(2)衆議院の優越、特別な議決の方法、議員特権
【衆議院の優越の中身】
ケース |
具体的にどのようなとき? |
両院協議会 |
優越の中身 |
法律の議決の時 |
衆議院で可決され、参議院で否決された法案を、もう一度衆議院で議決。 |
任意 |
衆院の出席議員の3分の2以上で再可決可能 |
予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名 |
衆議院で可決され、参議院で否決され、両院協議会でも意見がまとまらなかった場合 |
開かなければならない |
衆議院の議決をそのまま国会の議決とする |
※例えば、内閣総理大臣の指名について。2010年に総理大臣になった菅直人さんは、1998年にも総理大臣の指名を受けています。しかし、菅さんが指名を受けたのは参議院での投票結果に基づいた結果でした。結果的に、当時は、衆議院が小渕恵三さんを総理大臣に指名したため、衆議院の指名が優先され、小渕さんが総理大臣になり、菅さんは総理大臣にはなりませんでした。その後、菅さんは2010年のときには衆議院と参議院の両方で総理大臣の指名を受けて総理大臣になっています。
【特別な議決の方法・定足数など】
国会では、すべてが「過半数」で決まるわけではなく、特別な人数が定められた上で、その人数以上なら決定する事項もあります。その「特別な人数」が定められている事項についてまとめましたので、覚えておきましょう。
内容 |
具体的には? |
議決に必要な人数< |
国会本会議の開催 |
国会の本会議の定足数のこと |
総議員の3分の1以上< |
委員会の開催 |
国会の各委員会(予算委員会、文教科学委員会など)の定足数 |
委員の2分の1以上 |
秘密会の開催 |
国会は原則として審議の中身を公開しているが、国民に公開しないで開く秘密会の開催をきめる場合。 |
出席議員の3分の2以上 |
憲法改正の発議 |
憲法改正のための国民投票を行うための発議。発議後は、国民投票で過半数の賛成を得なければ憲法は変えることができない。 |
総議員の3分の2以上 |
議員の資格争訟 |
国会議員を辞めさせるための議決。両議院の議決ではなく、問題となっている国会議員が在籍している議院のみでの議決。 |
出席議員の3分の2以上< |
臨時国会の開催 |
臨時国会を開くために必要な要求数。衆・参何れかの要求で可能。 |
総議員の4分の1以上 |
【議員特権】国会議員になったら日本国憲法に基づき次の3つの特権が与えられます。
歳費特権・・・公費(税金)の中から給料などをもらえる。
不逮捕特権・・・国会が開かれている間は、議院の許可がなければ議員は逮捕されない。
免責特権・・・国会での言動は、国会の外では責任を問われることがない。
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