高校公民(現代社会・政治経済)の
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現在の世界の政治制度(イギリス、アメリカ)
【イギリス(議院内閣制の代表的な国)】
○イギリスは日本と同じく議院内閣制の国。
・イギリスでは、1721年のウォルポール内閣が、議会における多数派を形成し(当時の与党はホイッグ党)、それを基盤に政治を行うが支持を失った後には失職した。このように、議会の信任を失えば内閣が辞職する、という特徴がイギリスの議会では色濃く現われている(W.バジョットが「イギリス憲政論」でこれを理論化した)。
・このように、内閣は議会に対して連帯責任を負うのが「議院内閣制」。
→「議院内閣制」を採用しているという点では、イギリスと日本と同じ特徴を持っています。先に述べたイギリスのウォルポール内閣と同じことは日本でも起きている。たとえば2012年の野田佳彦内閣は、消費税の引き上げなどをめぐって、当時議会の多数派だった民主党の議員の一部の支持を失った。野田首相に批判的な人たちが民主党を離党し、「国民の生活が第一」などの新党を結成した結果、民主党は衆議院の過半数に満たない状態になった。その後、政権運営が行き詰った野田首相は解散総選挙に追い込まれ、選挙で敗北。政権を自民党に明け渡し、安倍政権の誕生とともに野田政権は総辞職した。
※なお、議院内閣制については日本とイギリスは共通していますが、一方で、日本にはないイギリス独自の特色も持っています。
・イギリス独自の特色としては、不文憲法制であることが挙げられます。イギリスは憲法を持たない国ですが、憲法代わりになるいくつかの文章が、憲法のような役目をはたしています。
・「憲法代わり」の歴史的文書→「マグナ=カルタ」「権利請願」「権利章典」
・「憲法代わり」の議会制定法→「王位継承法」「議会法」
※イギリスの二院制
上院は選挙がなく、国王の任命で貴族の中から選ばれる。任期は終身。
下院は選挙で国民の中から選ばれる(日本と同じ方式)。小選挙区制で、任期は5年、定員は659名です。
ただし、民意を反映しているのは下院なので、下院のほうに優位性があり、上院は下院をアドバイスする機能を果たすくらいのものです。下院が優位なのはそのためで、たとえば、予算などの重要な法案は下院さえ通過すれば成立するなどが、下院の持つ優位性の例です。
【アメリカ(大統領制の代表的な国)】
※アメリカでは、イギリスから独立したという歴史的経緯があり、独立直後に各州の独立性を重視していたが、後に、各州の枠を超えて統一した政府が作られる必要性に迫られ、今のアメリカ政府が形作られた。
※アメリカの大統領は、議会とは独立している。議会から首相が選ばれる日本とは違い、アメリカの大統領は国会議員ではないし、国会議員から選ばれることもない。大統領選挙は、国民の得票数が直接集計されるのではなく、各州の国民の票の集計結果で票が多かった方の候補者が、各州ごとに人口で割り当てられた「大統領選挙人」の票を独占する形になって、その「大統領選挙人」の票を積み重ねた結果が選挙結果として反映される(間接選挙)。例えば、ある州で共和党の候補と民主党の候補が接戦だったとしても、国民の投票の結果、共和党の候補者が少しの差で勝ってしまえば、その州の「大統領選挙人」の票は全て共和党の獲得した票としてカウントされることになる。
・アメリカ大統領は、議会に対する解散権は認められていないが、議会が可決した法案への拒否権が認められている。ただし拒否権を行使しても、上院と下院の両方が3分の2以上で再可決した場合は、法律案が通過する(オーバーライド)。
・また、各省の長官を(国会議員以外から)任命するなどの権限がある。
・アメリカ大統領は、議案提出権がない代わりに、教書によって議会に対して要求や勧告をすることが可能。
・大統領は、議会から不信任を受けることはないが、議会の多数党と自身の政党とがねじれている場合には議会との対立が顕著になる。
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